現場リポート
観山寺庫裡御堂新築工事
木材加工開始!
前回までは現場からの状況でしたが現場の話は1度お休みにして加子母へ戻り工場を見ていきます。
本現場では建物の躯体部分をプレカットと大工の刻みとで2つの工程を刻んで、加工していきます。
土台から柱、梁などまでは直線的な物が多く、プレカットでも対応できますが、
どうしても屋根の部分、「反り」や「照り」など、曲線的な部分が出てくると大工さんによる手加工に頼らざるを得ません。
現代の精密な機械を用いても出来ない加工を行う大工さん・・・頭が上がりません。
今回はその中のプレカット工場を紹介しようと思います。
まず、各現場で使用する材料を製材屋さんから受け取り、内容が合っているか、節や割れ等の不都合はないか、
どの木材をどの材料に使用するのかを選定します。
工場から製材屋さんへの注文時に部材名称まで込みで決めて製材屋さんがそれぞれしっかり選んで出荷してくれるので、
よっぽどの事が無い限りは使えない材料が出てきた、という事にはなりませんが。
画像では節や木の目をみて「仕上げ面」をどの面にするか等を考えて材料1つ1つを見ている所です。
やはり最終的に「表に出てくる」材料と「そうでない材料」では「表に出てくる材料」に気を使わなければいけません。
木の成長過程の話にもなりますが、「製材された材料を仕上げるために削っていたら節が出てきた」なんて事もあります。
(必ずしも木の節が悪い、という事ではありませんが、やはり見栄えの問題がありますからね)
使用する木材の選定が終わったら加工に入ります。
写真は梁に使用される松になります。
真四角でない材料は長さを測り、木材側面に水平墨を打ち、それに交差する芯墨を出し機械に入れると・・・
あら不思議、加工ができます。
木材の芯や水平を出して機械へ投入して加工ができるのはよく分かりますが、
なぜ反って曲がった材料を綺麗に加工できるのか、詳しい仕組みは正直私にはよく分かりません。
木材を扱う会社の端くれとしてまだまだ勉強していきます。
そして加工したものが次の写真
機械加工も侮れませんね。
とはいっても機械加工の次は手加工、人間の腕も光ります。
大きな材料は専用の機械を通せなかったり、
大きな材料だからこそできる細かい仕口や継手は手加工で行うしかありません。
工場とは言っても機械を操るオペレーターだけでなく、大工も常駐しています。
一般住宅ではこれほどの量の丸太梁はでないので工場の大工さんもこの量の加工をしたのは久しぶりではないでしょうか。
今回は丸太梁をメインに話したので次回の工場話は柱をメインにお話します。
どうぞ次回もよしなに