飛騨の匠(株)中島工務店

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現場リポート

観山寺庫裡御堂新築工事

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建方開始!と思いきや・・・

梅雨に基礎工事、盆明けに建方作業、協力業者さんにはもっとも辛い工程ですが、体調管理には十分注意して作業を進めます。

前回足場組立を行い、今回はいよいよ建方作業です。

 

ですが、建方本番の前に土台伏せという作業を行います。

材料を間配り、基礎天端にはじいた墨に沿って土台を伏せていきます。

30坪と狭い建坪ですが、4名の大工に入って貰い、1日掛からず終わらせる算段です。(暑いので乗り込み初日は体を慣らすために早めに休みを取ります)

今物件は土台下に石や鉛といった物を敷くのではなく、一般住宅同様に基礎パッキンを敷いていきます。

「敷く」と言っても固定するために土台側に留め付けを行います。

写真木材の下の方に空いている穴がアンカーボルトの差し込み位置になります。

基本的に継手の男木側にも女木側にもアンカーを引き、1800以上飛ばさないようにアンカーを設置します。

今回採用しているパッキンは連続性を持たせ、床下にネズミやイタチ、ハクビシンなどの侵入を防ぎます。

パッキンをある程度のピッチで飛ばして施工する場合もあるようですが、この20mmというスキマは動物にとっては狭くありません。

 

今更ながら聞けない内容としてそもそも何故基礎パッキンを使用するの?という質問がありますが、

その理由は建物を守るためですね、基礎にべったりこの土台がひっついてしまっていると、

雨が降った時に木が水を吸ってしまいより早く朽ちてしまいます。

その他床下、基礎内部の空気の通りをよくする事で、建物内部の湿気を外に出してくれます。

感覚で分かるかと思いますが、湿気の多い建物はすぐ悪くなりそうですよね。

 

そして大間のポーチ部分のパッキン、写真上右と左では使用しているものが違います。

左に使用しているものは気密パッキンと言い、その名の通り空気すら通さないパッキンになります。

普通、お風呂場や玄関等の断熱性能を求める場所に使用しますが(もちろん本物件でもその場所にも使用しています)

ココはポーチがある場所、という事で使用しています。

通常土台水切りと言い、壁などに当たった雨が最終的に土台付近につけられた水切りにより外へ弾かれます。

※写真は城東テクノ株式会社さんより拝借

ですが、この水切りの下側からは水は進入します。

ここで、ポーチ等水が跳ね返ってしまう要素が水切り付近に存在すると、

ポーチの上で跳ね返った水が水切り下より基礎内部へ侵入してしまいます。

それを防ぐためにポーチや勝手口の入り口、玄関廻には気密パッキンを使用します。

 

そうして引き終わった土台がコチラ↓

大引きまで施工してしまおうかとも考えましたが、建方作業時に人が通る時に躓いてしまったり、

脚立を建てようとしたときに邪魔になってしまう事があるため、今回は大工さんと相談した後、

後施工にすることにしました。

 

今回は長くなってしまったので、建方本番はまた次回へ

どうぞ次回もよしなに

 

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