寺社建築の耐震改修
由緒ある寺社を
後世に残すために
由緒ある寺社を次の世代に受け継いでいくためには、適切なメンテナンスが必要です。中でも数十年~100年を越えるような建物では、耐震改修が欠かせません。耐震改修を施せば、歴史を重ねた建物を解体・新築せず長寿命化できると同時に、新築に比べて工事費用も抑えられます。
中島工務店では厳密な調査・設計にもとづいて改修計画を立案。伝統的な礎石建ちを取り入れ、限界耐力設計法で伝統建築が持つ軟らかさを活かしながら地震に耐える構造をつくります。
耐震改修の流れ
- 01耐震診断
- 02耐震設計
- 03プレゼンテーション
- 04解体工事
- 05地盤改良工事
- 06不陸調整・建起し
- 07各種補強工事
- 08仕上げ工事
- 09完成・お引渡し
耐震診断
建物を構成する各種耐震要素の状況・種類・寸法などを確認・測定します。
【耐震要素】
地盤・基礎・柱・梁・壁・床組・小屋組・屋根葺
【調査内容】
地盤調査・床下調査・小屋裏調査・屋根調査・内部調査・損傷度調査
【耐震診断】
調査結果にもとづいて、想定している地震が起こった場合に建物がどの程度変形するのかを数値で表し、耐震性能を評価します。
耐震診断では限界耐力計算法を適用します。従来の許容応力度計算法は崩壊するか否かだけを算出し建物の変形能力は考慮しないため、伝統建築には適しません。限界耐力計算法では、許容応力度に加えて建物がどこまで変形できるか(変形能力)や揺れを抑える性能(減衰性能)を考慮し、建物の耐震性能を緻密に算出します。
耐震設計
耐震診断にもとづいて、耐震性能の向上を図る設計を行います。設計に際しては、補強後の目標性能を設定。外観を崩さず目標性能に達するためにどのように補強するか、十分に検討してご提案します。
耐震性能評価
●建物の耐震性能評価を以下に示す。
※耐震性能評価は、現状の変形角を0度とした場合に、地震によって変形する角度を算出したものである。
不陸調整・建起し
年月を経た建物は水平・垂直が維持されていないので、耐震補強の前にまずは建物をまっすぐに整えます。不陸調整(水平の調整)では柱の下端に飼い木・石・鉛板などを挿入、建て起し(垂直の調整)では小屋梁~柱元をワイヤーで引っ張り起こします。
耐震補強工事
壁・天井・小屋裏など各所に耐震補強部材を設置するなど、耐震補強工事を行います。