曲線美を追求する

2012年12月28日

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今年も残り僅かとなりました。

今回は堂宮建築の美しさを左右する屋根まわりを中心に紹介します。

上棟式終了後、軒廻りの作業に取り掛かりました。

今回の工事は、垂木が地垂木と飛燕垂木(ひえんたるき)の2段で構成される二軒と呼ばれるものです。

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垂木をよく見ると、曲線を描きながら先端に向かって細くなっている事に気づくと思います。

これを居定垂木(いじょうたるき)と呼び、軒に軽快な印象を与える役目を担っています。

 

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垂木の上には茅負(かやおい)、裏甲(うらこう)、切裏甲と呼ぶ部材が積み上げられていきます。

今回は総反りという軒先が全て曲線で形つくられる様式を採用しており、上に挙げた部材全てに直線のものはありません。又、隅にいくに従ってその厚みも増していきます

軒先に直線が無い為、垂木の断面も全て菱形になります。つまり垂木の断面の形は中心から端まで全て形状が異なります。

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軒が深ければ深いほど、その建物が美しくみえます。

当然の事ながら軒が深ければ建物に雨がかかりません。

軒を深くする為に約800年ほど前に発明されたのが桔木を使用した工法です。

上の写真の桁から軒先に取り付けられた丸太がそれにあたります。

桔木の自重によりテコの原理で軒先の荷重を支える事ができます。

 

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そして最後に紹介するのが振れ隅とよばれる工法です。

軒先の隅部から屋根上部の棟までのラインと軒先の隅木(写真の白い部分)の角度が異なっている事がわかると思います。又屋根の勾配(軒先から棟までの角度)も写真の右と左では異なります。

これは屋根の最上にある棟を長くして屋根に安定感を与える為の工法です。

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今回はかなり専門的な話しになってしまいましたが、全ては建物を美しく見せる為。

日本人の感性に合うように、緩やかで自然な曲線を追及した先人達の知恵の結晶なのです。

私感ではありますが、美を追求する最後の砦は造り手達の強い思い(執念)かもしれません。

曲線を追求した技法と工夫はこの現場でもまだまだありますが、またの機会に紹介したいと思います。